早川会長挨拶~全国はちみつ公正取引協議会の設立50周年を迎えて~

一般社団法人全国はちみつ公正取引協議会は、令和2年3月27日に設立50周年を迎えました。これも昭和45年3月に設立されて以来半世紀の長きにわたり、会員の皆様をはじめ、お取引先、監督官庁、関連団体、そして消費者の皆様方から賜わりました多大な御支援の賜物と心より感謝申し上げます。

昭和44年11月に「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」が公正取引委員会から認定されたことを受けて、その運用機関として「全国はちみつ公正取引協議会」が設立され、その後、当協議会は、公益社団法人、さらには一般社団法人と組織の法律上の形態は変化しておりますが、この50年の間、はちみつ類の表示に関する公正競争規約を運用し、はちみつ製造業においてはちみつ製品の適正表示について取り組んでまいりました。

特に昨年は、公正競争規約について、はちみつ類の定義の見直し、改正食品表示基準の反映、乳児ボツリヌス症注意表示の義務化、有機表示規定やブレンド表示規定の新設などの大幅な改正を約15年ぶりに行いました。また、今年も、はちみつの組成基準に蜜源別の例外規定又は適用除外規定を導入するなどの規約変更を予定しております。

引き続き、公正競争規約が、消費者の皆様からの御期待に沿えるよう、また、はちみつ業界の発展につながるように監督官庁の御指導を受けながら、その見直しに取り組んでまいりたいと考えております。

一方、はちみつの品質につきましては、輸入量の多い中国と長年にわたり日中技術者交流会議において、残留農薬等に関する課題、安価な瓶詰め中国製品に対する真偽問題などについて問題提起を行い、対策を進めてまいったわけであります。また、一昨年から偽和物の試験方法の開発に取り組んでいるところです。引き続き、消費者の皆様に安心してはちみつを購入していただけるように品質問題に取り組んでまいる所存でございます。

最近の大きな取組の一つにHACCPの手引書の作成があります。食品衛生法が改正され、すべての食品事業者にHACCP制度の導入が義務付けられ、一昨年の6月の公布から3年以内に義務化が施行されることになっています。従業員50人未満の小規模事業者については、本来のHACCPよりも緩い「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」でよいとされ、業界団体が作成した手引書に則った衛生管理を行うことが求められます。はちみつ業界では、厚生労働省のご指導を仰ぎながら、当協議会と日本養蜂協会が共同して手引書案を検討してまいりました。厚生労働省の承認が得られますと保健所が個々の事業所を指導する際の指針となりますので、会員が適切な衛生管理を実施できるように取り組んでまいります。

蜂産品は天然の産物であり、気候変動などの環境変化の影響を受けて採蜜量が左右され、また、農薬やダニの影響で蜜蜂が減少するなどの様々な課題が残されておりますが、はちみつ業界がより一層発展することを目指して様々な活動を推進してまいりますので、引き続き当協議会の活動に御理解、御協力を賜わりますようお願いいたします。

最後に、はちみつ業界のますますの御発展、関係者皆様方の御健勝を祈念申し上げさせていただきますとともに、設立50周年を新たな出発点とし、さらに当協議会が社会に貢献できるように取り組んでまいりますことを誓いまして、また、新型コロナウィルスの感染拡大で社会全体が困難に直面しておりますので、一日も早く治療法が見つかって感染が終息することを祈念いたしまして挨拶とさせていただきます。

令和2年3月27日

一般社団法人全国はちみつ公正取引協議会

               会 長  早川 幸男